皆さんこんにちは 普段トレーニングしているときに筋繊維を意識してトレーニングされていますでしょうか? 筋肉は筋繊維というものが集まって1つの筋肉となっています。筋肉によってそれぞれ走行は違っています。 なぜ筋肉によって筋繊維が違うのでしょうか? 筋肉には大きい力を出す必要があるものとそれを必要としていない筋肉で分類出来ます。 その筋肉の筋繊維・特徴を理解してトレーニングを行うことでさらにトレーニング効果を引き出すことが可能です。 今回は筋繊維とトレーニング方法をご紹介します。
筋繊維の並び
筋肉の1番の役割は自動車で例えると「エンジン」なります。 身体を動かすために必要なものですね。厳密に言うと筋肉は骨を動かす為に存在しています。 自動車の場合も速い動きが必要なレーシングカーやスポーツカーと、スピードはいらないから大きな力が必要なブルドーザー、トラックなどとその自動車によって役割が違います。 筋肉も同じで身体を動かす上で速い動きが求められる筋肉もあれば、逆に速く動かなくてもいい分、大きな力が求められる筋肉とそれぞれ作りが違います。 その役割を何で変えているのかというのが「筋繊維の並び方」です。 大きく分けると2つの並び方に分けられます。 筋繊維が並ぶように平行に走っており、中央の部分が太くなっている形の筋肉が「平行筋(紡錘状筋)」。 骨から真っすぐ伸びておらず鳥の羽のように筋繊維が斜めに走っている筋肉を「羽状筋」と呼びます。 平行筋の代表的な筋肉が力こぶの「上腕二頭筋」。 羽状筋で代表的な筋肉が太ももの「大腿四頭筋」です。 平行筋はそれぞれの筋繊維が平行に走っているおり、1本1本の筋繊維が縮む距離が筋肉全体が縮む距離と同じ特徴があります。また起始停止部(筋肉の付き始めから付き終わりにかけて)に向かって一直線に近い状態で筋繊維が付いています。 逆に羽状筋は1本1本の筋繊維が斜めに走っているため、平行筋より短く筋繊維が縮んでいても筋肉全体はほんのわずかな距離しか縮んでいません。 このことから収縮速度も変わってきます。 筋繊維が出したスピードが筋肉全体のスピードに反映されるため、羽状筋の収縮速度は平行筋の3分の1程度になります。 その一方で羽状筋は個々の筋繊維が短い分、より多くの筋繊維が存在します。 数が多い分、力が出せるといった感じですね。 平行筋はスピードに特化しており、羽状筋は力に特化している筋肉になります。
平行筋、羽状筋の特徴・役割
人間の場合は、屈筋(曲げる筋肉)には平行筋が多く、伸筋(伸ばす筋肉)には羽状筋が多いという特徴があります。 例えば腕を曲げるときに働く筋肉の上腕二頭筋や、膝を曲げるときに働く筋肉のハムストリングスなどは平行筋です。 それとは逆に腕を伸ばすときに使用される筋肉の上腕三頭筋や、膝を伸ばすときに使用される筋肉の大腿四頭筋は羽状筋です。 また、大腿四頭筋や上腕三頭筋は角度が非常に大きく、大きい羽状筋となるので筋肉の中でもかなり大きな力を発揮することが可能です。 このように腕や脚を伸ばすための筋肉は大きな力を必要とするため羽状筋。 曲げるための筋肉はスピードや動作の大きさに重点が置かれ平行筋となっています。
筋トレに活かすためには
今まで説明してきたように羽状筋には大きな力を出すのが必要でそれが働きとなります。 ということは羽状筋を最大限に働かせるためには何回もできるような重さでは筋繊維をうまく刺激できていないということになります。 大きな力を発揮できるので上腕三頭筋や大腿四頭筋は、自分なりに重い重量でトレーニングをした方が反応がいいです。 逆に平行筋は大きな力を出すのを得意としていないため、身体を大きく使って挙げるほどの力ではうまく刺激ができません。 少し重量を落とし大きく動かすことで同時に筋繊維が大きく動きうまく刺激することが可能です。 つまりその筋肉の筋繊維に合ったトレーニングを行うことでさらに高い効果が期待できます。
筋繊維タイプについて
筋肉には形の他にもタイプがあります。 これは大きく分けると2つのタイプに分かれます。 それは遅筋と速筋です。 遅筋はその名の通り、収縮速度が遅く弱い力しか出せませんが、スタミナ・持久力に優れているという特性を持っています。 逆に速筋は筋収縮する速度が速く、短い時間で大きな力を発揮しますが遅筋に比べてスタミナ・持久力がないという特徴があります。 全ての筋肉はこの2つのタイプで構成されています。 人間の場合、遅筋と速筋は大体50%ずつ配合されていますが、遺伝や運動歴・運動の特性によって個人差がでてきます。 ランニングやジョギングのような持久的な運動を続けていくと遅筋が増え、筋トレなどの瞬発的なトレーニングを行っていると速筋が増えていきやすい傾向にあります。 なのでランニングが苦手な方でも、自分には向いていないという方も長年持久的なトレーニングを行っていれば筋肉のタイプはそれに合わせて変化していきます。 逆にいえば筋トレのような瞬間的なトレーニングを行っていれば速筋が多く増えてくるので、持久的な運動には少し苦手な筋肉となっていきます。 また、加齢により大きく減ってくるのは速筋といわれており、筋力トレーニングを行うことは加齢・老化を遅らせることにも繋がる可能性が高いです。まとめ
- 筋繊維には【平行筋】【羽状筋】の2つに分けられる
- スピードは平行筋、パワーは羽状筋が優れている
- 羽状筋は重量を使用し、平行筋は重さよりも回数でトレーニングした方がいい場合が多い
- 加齢と共に速筋繊維は失われやすい為、ウエイトトレーニングはオススメ