筋肥大には重量かボリュームか?最新研究が示す最適バランス

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2025.04.22

筋トレ

筋肥大には重量かボリュームか?最新研究が示す最適バランスとは

筋肥大には重量かボリュームか?最新研究が示す最適バランスとは

了解しました。筋肥大における「重量(負荷)」と「トレーニングボリューム(総負荷量)」の関係について、最新の研究動向をもとに、初心者と上級者の違いや効果的なプログラムも含めたブログ形式の記事を作成します。

調査が完了次第、内容をまとめてお伝えします。

筋肥大には重量かボリュームか?最新研究が示す最適バランス

筋トレで筋肉を大きくする(筋肥大)ためには、「どれだけ重い重量を扱うか」と「どれだけの量(ボリューム)をこなすか」が重要な要素です。歴史的に、重い重量で低回数のトレーニングは筋力向上に有効で、適度な重量で中程度の回数をこなすと筋肥大に最適、軽い重量で高回数だと持久力向上に効くというレップレンジの法則が知られてきました。

しかし近年の研究では、筋肥大に関しては幅広い負荷強度(重量設定)でも適切なトレーニングボリュームを確保すれば同程度の効果が得られることが分かってきています (Muscle hypertrophy and strength gains after resistance training with different volume-matched loads: a systematic review and meta-analysis - PubMed)

本記事では、重量(負荷強度)とトレーニングボリューム(総負荷量)の役割や相互関係について、初心者と上級者の場合の違いも交えながら、最新の研究知見に基づいて解説します。最後にエビデンスに裏付けられた筋肥大向けプログラム例と実践的なアドバイスも紹介します。

重量(負荷強度)の役割:高重量 vs. 低重量の筋肥大効果

筋トレで扱う**重量(強度)**は、筋肉に与える張力(テンション)の大きさを決めます。一般的に高重量(例:1~5回しか挙上できない重量、80~90%以上1RM)は筋力の向上に不可欠であり、低重量(15回以上挙上可能な重量、約50%1RM以下)は筋持久力の向上に適しています。

では筋肥大にはどの程度の重量が最適なのでしょうか?

結論から言えば、筋肥大は高重量から中重量、低重量まで幅広い負荷で達成可能です。ただし重要な条件があります。それは筋肉をしっかり追い込む(筋疲労を引き起こす)ことです。最新のメタ分析では、重い重量(高強度)でも軽い重量(低強度)でも、セットを限界近くまで行えば筋肥大の効果に有意な差はないと報告されています (Muscle hypertrophy and strength gains after resistance training with different volume-matched loads: a systematic review and meta-analysis - PubMed)

例えば、2017年のSchoenfeldらのメタ分析では、負荷60%1RM超の高重量トレーニングと60%1RM以下の低重量トレーニングを比較して筋肥大への効果を検証しましたが、筋肥大の増加量に有意差は認められませんでした (Strength and Hypertrophy Adaptations Between Low- vs. High-Load Resistance Training: A Systematic Review and Meta-analysis - PubMed)

一方で筋力(1RM向上)については高重量の方が大きな効果が得られており、負荷強度は筋力には重要だが筋肥大自体には広い範囲で柔軟性があることが示されています (Muscle hypertrophy and strength gains after resistance training with different volume-matched loads: a systematic review and meta-analysis - PubMed)

では軽い重量でも同じように筋肉を大きくできるのか?ポイントは筋肉を十分に疲労させるまで反復することです。軽い重量では一回一回の収縮張力は低いですが、その分回数を重ねて総負荷量(Volume Load)を高める必要があります 。

実際、重量を一定にして回数を増やしていく方法でも、重量を増やして回数は少なめに維持する方法と比べて、筋肥大効果に大差ないことが初心者対象の研究で確認されています。

初心者の場合、10RM程度の中重量から始めて徐々に回数や重量を増やしていけば、軽重量でも高重量でも筋肉は大きくなるというわけです。

とはいえ、扱う重量の設定は実践上重要です。高重量を常に狙いすぎるとフォームの乱れや怪我のリスクが増えますし、低重量でただ回数だけこなすと時間がかかりすぎて効率が悪くなることもあります。筋肥大を狙う場合、一般的には6~12回で限界が来る程度の中重量(約60~80% 1RM)を用いるのが効率的とされ、筋肉に十分な張力刺激と適度な代謝ストレスを与えられると考えられています。

この強度ゾーンは筋タンパク合成の刺激も大きく、持続可能な回数範囲のため総ボリュームも稼ぎやすいからです。一方で、時には5回以下の超高強度で筋肉に最大張力を与えるセットも取り入れることで、筋繊維のより多くを動員し筋力向上と硬度な刺激を得ることができます。

逆に15回以上の高回数トレーニングは、筋持久力の向上が主目的ですが、筋肥大という点では「オールアウトするなら」効果は得られるものの、セット数が増えて疲労管理が難しくなる点に留意が必要です。

まとめ:筋肥大において扱う重量そのものは高くても低くても構いませんが、重要なのは筋肉に十分な負荷刺激を与えることです。そのために、適切な重量設定で限界近くまで反復するか、もしくは高重量で少ないレップを複数セット行うか、いずれにせよ筋肉をしっかり追い込む必要があります。その上で、安全面と効率面からは中程度の重量を基軸に、適宜高重量や低重量も織り交ぜるのが現実的と言えるでしょう。

トレーニングボリュームの役割:セット数・総負荷量が筋肥大に与える影響

トレーニングボリューム(総負荷量)は、一般に「重量 × 回数 × セット数」で計算され、筋トレで筋肉に与える総合的な仕事量を示します ( Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy but Not Strength in Trained Men - PMC )

筋肥大を最大化する上で、このボリュームが極めて重要な変数であることは多くの研究で支持されています。簡単に言えば、筋肉を大きくするにはある程度以上の量のトレーニングが必要だということです。

具体的なエビデンスとして、2017年のメタ分析では週あたりの総セット数と筋肥大の関係を調べ、トレーニングボリュームを増やすほど筋肥大の効果が高まるという用量反応関係(dose-response)が示されたと報告しています(Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis - PubMed)

週あたりのセット数を段階で比較すると、例えば1部位あたり5セット未満よりも5~9セット、5~9セットよりも10セット以上の方が筋肥大の伸びが大きい傾向が確認されました(差は約4%程度の筋量増加の違い) (Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis - PubMed)

また、セット数を1セット増やすごとに筋肥大効果が少しずつ上乗せされるという解析結果も示されています (Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis)。要するに、筋肉を発達させるには「どれだけハードなセットを積み重ねたか」が大事であり、一定以上のボリュームをこなすほど有利だということです。

しかし、ボリュームは「多ければ多いほど無制限に良い」わけではありません。個人の回復力やトレーニング経験によって、効果的なボリュームには上限があります。

ある程度を超えた超高ボリュームでは疲労が蓄積しすぎてオーバートレーニングに陥ったり、各セットの質が低下していわゆるジャンクボリューム(質の伴わない量稽古)になってしまう恐れがあります。実際、筋トレ経験者を対象に1種目あたり週3セット vs 9セット vs 15セットという大きく異なるボリュームで8週間トレーニングさせた研究では、筋力の向上量に差は出なかったものの、筋肥大効果はセット数が多いほど大きくなりました。

特に腕や脚の筋肥大は15セット群で顕著でした ( Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy but Not Strength in Trained Men - PMC )

この結果から、上級者では高ボリュームほど筋肥大に有利と考えられますが、注意すべき点は急にボリュームを増やしすぎないことです。研究期間は8週間と短期であるため、長期的には疲労が蓄積してパフォーマンスが落ちる可能性もあります。適切なボリュームは段階的に見極める必要があります。

一般的な指針として、初心者で週あたり各部位5~10セット、上級者で10~20セット程度が筋肥大に効果的な目安とされています。

初心者のうちは少ないセット数でも十分刺激になりますが、トレーニング経験を積むにつれて筋肉も刺激に慣れるため、さらなる成長にはより多くのセット数や種目バリエーションが必要になってきます 。

重要なのは、そのセットが「質の高いセット」であることです。つまり、適切な重量設定でターゲット筋を追い込んだセットを積み重ねることが筋肥大を促す鍵となります。

まとめ:筋肥大のためにはトレーニングボリューム(総セット数)を確保することが極めて重要です。科学的には「より多くのハードセットをこなすほど筋肥大は大きくなる」という傾向が示されています。

ただし闇雲に量を増やすのではなく、自分の回復が追いつく範囲で徐々にボリュームを増やし、各セットの質を担保しましょう。上級者ほど高ボリュームが必要になりますが、その分計画的な休養(デロード)栄養管理にも気を配る必要があります。

初心者と上級者で異なる最適負荷設定: 重量・ボリュームの違い

筋トレの経験年数や筋発達の段階によって、効果的な重量設定やボリューム量は異なります。初心者(未経験~トレーニング歴1年未満)上級者(トレーニング歴1年以上)を比べると、その最適解には次のような違いがあります。

  • 初心者: 筋トレを始めたばかりの人は、筋肉も神経系も刺激に対する感受性が高く、比較的少ない量・強度でも大きく適応します。実際、初心者では高重量を扱おうと軽重量で高回数を行おうと、筋肥大効果に大きな差は生じません。まずはフォーム習得と中程度の重量での十分な刺激にフォーカスしましょう。重量で言えば約8~12回持ち上げられる重さ(8~12RM)が目安で、各種目あたり1~3セット程度でも最初の数ヶ月は順調に筋肉が育ちます 。

    重要なのは毎週扱う負荷を少しずつ増やしていくこと(プログレッシブオーバーロード)です。初心者の場合は筋力の伸びが早いため、ほぼ毎回のトレーニングで重量や回数を増やすことが可能でしょう。

    例えばスクワットを50kgで10回3セットできたら、次回は12回に挑戦し、それができれば重量を52.5kgに増やす、といった具合に段階的に負荷を高めていきます。これだけでも筋肉にとっては十分な新刺激となり、筋肥大が促進されます。

  • 上級者: トレーニングを長く続け筋力・筋肥大がある程度進んだ人では、筋肉が刺激に慣れてしまい、同じことをしていても成長が鈍化します。上級者になるほどさらなる筋肥大には一層のボリュームや高強度の刺激が必要になります。

    しかし同時に、最大限の重量を常に追い求めても怪我のリスクが高まったり神経系のオーバーロードが起きやすいため、重量とボリュームのバランスを取った賢い戦略が求められます。上級者では短期的には回数やセット数を増やしてボリュームアップを図る方が筋肥大につながりやすいという研究結果があります。

    8週間という期間で経験者を比較した実験では、重量を上げるよりも同じ重量で反復回数を増やしたグループの方が僅かに筋肥大が勝ったという報告もあります。

    このことから、長年トレーニングして神経系の発達が頭打ちになってきた上級者では、重量ばかり増やすよりもまずボリュームを増やす(セット数・回数を追加する)戦略が有効と言えます。

    もちろん最終的には停滞打破のために高重量への挑戦も不可欠なのは間違いないです

    上級者では初心者のように頻繁には記録更新できないため、重量は月単位で計画し、それ以外の期間はターゲットとする6~10RM程度の重量で総ボリュームを確保するようなサイクルを組むと良いでしょう。

    例えば普段100kg×6回が限界の種目であれば、まず6回を8回~10回に伸ばすことを目指し、それが達成できたら105kg×6回に挑戦する、といった具合に段階的に負荷をプラスし継続していきます。

    また上級者は週あたりのトレーニング日数も増やし、部位ごとのセット数を分割してこなすことで質を担保する戦略(スプリットルーティン)が一般的です 。

    一度にこなせるセット数には限界があるため、複数日に分けて合計ボリュームを稼ぐことで、各セットを高パフォーマンスで行い筋肥大刺激を最大化します。

以上を踏まえ、初心者と上級者のざっくりとした違いを表にまとめます。

トレーニング経験 推奨される負荷強度(1RM比) 目安の反復回数(RM) 週あたりセット数目安(筋群ごと) 進捗のさせ方(オーバーロード)
初心者 (~1年) 中強度:約60~75% 1RM程度 8~12回で限界になる重量  5~10セット程度 (まずは少なめから) 毎回または毎週重量・回数を増やす 
上級者 (1年以上) 中~高強度:60~85% 1RM中心※一部は85%超の高重量も 6~12回中心+必要に応じて1~5回の重質なセットも併用  10~20セット程度(徐々に増やす) 月単位で重量更新を計画 普段は回数・セット増でボリューム確保

(※個人差が大きいため上記はあくまで目安です)

筋肥大に効果的なトレーニングプログラム例

最後に、上述の知見を踏まえた筋肥大向けプログラムの例を紹介します。ここでは初心者向け上級者向けに分けて、それぞれ実践的なメニュー例を示します。

初心者向けプログラム例(全身をまんべんなく刺激)

筋トレ初心者には、週2~3回程度の全身トレーニングがお勧めです 。

大筋群を中心に複合関節種目(コンパウンド種目)を配置し、中程度の重量でフォーム習得と筋刺激を両立させます 。

各種目は2~3セット、8~12回反復できる重量で行い、全身の主要筋群に満遍なく刺激を入れましょう。例として週3回フルボディのメニューを示します。

  • Day1: スクワット 3セット ×8~10回、ベンチプレス 3セット × 8~10回、ラットプルダウン(又は懸垂) 3セット × 8~12回、ショルダープレス 2セット × 10回、腹筋種目 2セット × 15回

  • Day2: 休息 or 有酸素など軽い運動

  • Day3: デッドリフト 2セット × 6~8回(フォームに慣れるため控えめセット)、ルーマニアンデッドリフト 2セット × 10回(ハムストリング狙い)、インクラインダンベルプレス 3セット × 10回、シーテッドロー 3セット × 10回、サイドレイズ 2セット × 12回、カーフレイズ 2セット × 15回

  • Day4: 休息

  • Day5: ブルガリアンスプリットスクワット 3セット × 10回(片脚ずつ)、プッシュアップ(またはディップス) 3セット × 限界回数、自重の斜め懸垂(インバーテッドロウ) 3セット × 限界回数、アームカール 2セット × 12回、トライセプスエクステンション 2セット × 12回、プランク 2セット × 30秒保持

  • Day6-7: 休息(必要に応じて軽いジョグやストレッチ)

ポイント: 初心者期は全身をバランス良く鍛えることが大切です。上記のように押す・引く・脚の動きを網羅したメニューを組むと良いでしょう。セット数は控えめですが、その分毎回のトレーニングで前回よりも回数を増やすか重量を微増させることに集中します。

筋肉痛や疲労が強い場合は休息日を増やしつつ、フォームの習熟に努めてください。短期間でどんどん扱う重量が伸びていく時期なので、安全第一で継続することで筋肥大が着実に進みます。

上級者向けプログラム例(分割法で高ボリュームを確保)

トレーニング歴が長く筋力もついている上級者には、スプリットルーティン(分割法)で週4~5日の頻度に増やし、各筋群あたり週10~20セット前後のボリュームを確保するプログラムが効果的です。

ここでは一例として上半身/下半身の2分割を週2回ずつ行う週4回プログラムを紹介します。強度は中~高強度を織り交ぜ、低回数の日と中回数の日を組み合わせて筋刺激に変化をつけます(デュアルファクトリアル的アプローチ)。

  • Day1: 上半身(重視: 押す種目の高強度)
    ベンチプレス 4セット × 5~6回(高重量で筋力維持向上狙い)、オーバーヘッドプレス 3セット × 8回、ペンチュラーロウ(かベントオーバーロウ) 3セット × 8回、ダンベルベンチフライ 2セット × 10~12回、トライセプスディップス 2セット × 10回

  • Day2: 下半身(重視: 全体的な高強度)
    バックスクワット 4セット ×5~6回(高重量メインセット)、ルーマニアンデッドリフト 3セット × 8回、レッグプレス 3セット × 10回、レッグエクステンション 2セット × 12回、レッグカール 2セット × 12回、カーフレイズ 3セット × 12~15回

  • Day3: 休息(ストレッチや軽い有酸素)

  • Day4: 上半身(重視: 引く種目+中強度ボリューム)
    懸垂 3セット × 限界回数(自重で8~12回程度になる負荷設定に調整)、ダンベルローイング 3セット × 10回、インクラインベンチプレス 3セット × 8~10回、ラテラルレイズ 3セット × 12回、バーベルカール 2セット × 10~12回、フェイスプル 2セット × 15回

  • Day5: 下半身(重視: 下肢の中程度強度ボリューム)
    デッドリフト 3セット × 5回(高重量だがDay2よりセット数少なめ)、ブルガリアンスクワット 3セット × 10回、レッグプレス(足幅広め) 3セット × 12回、ヒップスラスト 2セット × 10回、サイドランジ 2セット × 12回(左右)、シーテッドカーフレイズ 2セット × 15回

  • Day6-7: 休息(アクティブレスト程度)

ポイント: 上級者プログラムでは高重量低回数の日と中重量中回数の日を分けて設定しています。Day1/2では複合種目で5~6RMの高負荷を扱い神経系と筋繊維に強い張力刺激を与えます。

一方、Day4/5では8~12回程度反復できる重量で種目数・セット数を増やし、筋肉に十分なボリューム負荷を蓄積させます 。

これにより張力による刺激代謝的・ボリューム的刺激の両面から筋肥大を狙うわけです。各部位あたり週に合計10セット以上を実施することで、研究で示唆される高ボリュームのメリットを得ることができます。

重要なのは疲労管理で、必要に応じて休息日を増やしたりセット数を調整してください。上級者でもフォームの見直しや弱点部位の強化を怠らず、段階的な過負荷(数週ごとに重量または回数の微増)を続けることで停滞を打破し筋肥大を継続させましょう。

まとめ:最新エビデンスから導く筋肥大トレーニングの鍵

筋肥大を最大化するには、「重量」と「ボリューム」の双方をバランスよく活用することが重要です。最新の研究を総合すると、筋肉を大きくする刺激は高重量でも低重量でも得られますが、その効果を左右するのは最終的に総ボリューム(総負荷量)の大きさだと言えます。

筋トレ初心者のうちは、扱う重量にも回数にもそれほど神経質になる必要はなく、基本的なフォームで中程度の重量を用いて漸進的に負荷を増やしていけば十分な筋肥大刺激になります 。

一方でトレーニング経験を積んだ上級者は、停滞を破るためにボリュームを意識的に増やしつつ、定期的に高重量にも挑戦して筋肉に新たな刺激を与える戦略が求められます。

実践においては、まず自分の現在のレベルに合った重量設定とボリュームから開始し、少しずつ負荷やセット数を追加していきましょう(漸進性過負荷の原則) 。

フォームの乱れや痛みが出ない範囲で重量を扱いつつ、「あと数回で限界」という強度のセットを積み重ねることが大切です。筋肉の成長には十分な休息と栄養も欠かせません。ハードに追い込んだらしっかり休養日を入れ、タンパク質を中心に栄養補給して超回復を促しましょう。

 

最後に、科学的知見はあくまで一般的な指針です。個人差が大きい分野でもあるため、自身の体の反応を観察しつつ調整することが肝要です。定期的に自分のトレーニングログを見直し、重量を増やすべきか、セット数を増やすべきか、あるいは休むべきかを判断してください。

重量とボリュームという二つのレバーを上手に操作しながら、筋肥大への道を着実に歩んでいきましょう。参考までに、本記事で紹介した内容は最新の研究 (Strength and Hypertrophy Adaptations Between Low- vs. High-Load Resistance Training: A Systematic Review and Meta-analysis - PubMed) (Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis - PubMed)やメタアナリシスの知見 (Muscle hypertrophy and strength gains after resistance training with different volume-matched loads: a systematic review and meta-analysis - PubMed) ( Resistance Training Volume Enhances Muscle Hypertrophy but Not Strength in Trained Men - PMC )に基づいていますので、トレーニング計画の検討に役立てていただければ幸いです。筋肉は裏切りません。継続的かつ計画的な努力で、理想の筋肥大を実現しましょう!