AI搭載ダイエットアプリの動向

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2025.05.08

ダイエット

AI搭載ダイエットアプリの動向

AI搭載ダイエットアプリの動向

AI搭載ダイエットアプリの動向

近年、日本でもAIを活用したダイエット・健康管理アプリの注目が高まっています。食事の写真を撮るだけでカロリーや栄養素を自動計算したり、AI栄養士が食生活の改善アドバイスをくれる機能などを備え、フィットネスデータや体重計と連携することでより効率的な管理を実現します。本記事では、日本語対応または日本市場向けの主要アプリをピックアップし、それぞれの基本情報(開発元、料金、対応OSなど)主な機能・強みユーザーレビュー・評価AI技術の活用法や開発背景日本での話題事例を詳しく解説します。

あすけん(Asken)

AppleのiPhone画面に「72点」の健康度が表示された、あすけんアプリのアドバイス画面。毎日の食事記録に基づきAIが栄養バランスを分析し、点数化してくれる。

  • 基本情報:株式会社asken(東京)開発。iOS/Android対応。基本無料(アプリ内課金あり)。世界・国内累計ユーザー数は約1100万超とされ、日本のダイエットアプリでは最大級の規模です。App Store評価4.4(約14万件)、Google Play評価4.4(約5.7万件)と高評価を得ています。

  • 主な機能・強み:15万件以上の食事データベースを搭載し、食事写真撮影やバーコード読み取りで簡単に食事を記録できます。入力したデータからカロリーやタンパク質・脂質・糖質など14項目の栄養素を自動計算し、管理栄養士監修のAIアドバイスを毎日配信する機能が最大の特徴です。あすみさんの健康度を点数化して具体的に示したり、目標達成に向けた栄養素過不足の改善点を分かりやすく教えてくれるため、初心者でも健康的な食習慣を身につけやすい設計です。

  • デバイス連携:Appleヘルスケア(iPhone)やApple Watchとも連携し、歩数や体重などを自動でアプリに反映できます。Android版もGoogle Fitなどと連携して記録可能です。運動記録や体重記録と食事記録が一体化して管理できるため、ワンストップで健康管理できる点が好評です。

  • ユーザーレビュー:実際のユーザーからは「管理栄養士の具体的なアドバイスが的確で使いやすい」「食事登録が簡単で続けられる」といった声が多く、App Store4.4点/5.0(14万件超のレビュー)、Google Play4.4点/5.0(5.7万件超)と高評価を維持しています。反面、一部には「欲しい栄養素の種類がもっと増えてほしい」といった要望もあります(App Storeレビュー参照)。

  • 開発背景・技術:あすけんは2012年頃からサービスを開始し、長年蓄積してきた食事記録データと栄養士のノウハウをAI化しています。食事画像判別AIによる写真解析機能も搭載し、写真からメニューを推定してカロリー計算を行うなど、技術革新を続けています。2023年には「AI食事管理アプリNo.1」を謳い、社員管理栄養士による書籍出版などマーケティングも活発です。

  • 日本での導入事例・話題:累計会員数は2023年時点で800万人超と報告され、コロナ禍では在宅時間増加を背景に健康管理のニーズが拡大しました。特別な食事制限をせずとも日々の選択で摂取カロリーをコントロールしている利用者が多いことがデータ解析で示されるなど、その有効性が注目されています。

カロミル(Calomil)

カロミルの栄養バランス管理画面例。画像下部の「カメラロール解析」ボタンから食事写真を呼び出し、AIが栄養素を自動計算する。1日・月間のPFCバランス達成状況もわかる。

  • 基本情報:ライフログテクノロジー株式会社(東京)が開発・運営。iOS/Android対応。基本無料(有料のプレミアム機能あり)。累計会員数は500万人を超えると公式発表されています。App Store評価4.5(3.8万件超)、Google Play評価3.8(4630件)と、iOSでは高評価です。

  • 主な機能・強み:「食事写真を撮影するだけで記録が簡単!」がコンセプト。AI画像解析で食事内容を自動認識し、カロリー・PFC(タンパク質/脂質/炭水化物)に加え塩分・食物繊維など計30以上の栄養素を算出します。記録したデータをもとに栄養バランスをグラフで表示でき、足りない栄養素を補う食事提案や未来体重予測(推論AI)など、ダイエット支援機能も充実しています。また、Fitbitやスマホ内蔵の歩数計と連携して歩数・消費カロリーも記録でき、総合的な生活改善が可能です。

  • 価格:無料ダウンロードで利用できますが、月額360円程度で食事改善提案やリアルタイム解析などのプレミアムサービスが契約できます。基本的なカロリー計算やPFC管理機能は無料で利用可能です。

  • ユーザーレビュー:使い勝手の良さと高い満足度が評価されています。実際、App Storeでは「使いやすさ」「機能性」「デザイン性」で他アプリを上回る満足度との調査報告がある一方、認知度は低めとの指摘もあります。ユーザーからは「画像解析が優秀で記録が楽」「栄養素表示が細かくて便利」という意見が見られます。App Store評価は4.5(約3.8万件)、Google Playは3.8(約4600件)です。

  • 開発背景・技術:2016年リリースの日本製アプリで、画像解析用に独自開発したAIエンジンを搭載しています。食事の画像解析精度は正解率83%、含有素材・風味まであいまい回答含め91%の高精度を誇ると自社発表があり、事業者向けAPI提供も行っています。AIだけでなく、管理栄養士監修の指導の下で機能を磨いてきました。

  • 日本での話題:特にコロナ禍での利用増が注目されました。在宅時間の増加に伴う体重管理ニーズの高まりで、2020年の緊急事態宣言時には「カロミル」の新規登録数が前年の約3倍に伸びたと報じられています。また、農林水産省のサイトでも「食育」関連コンテンツとして紹介されるなど、公的にも認知されつつあります。

カロママプラス(Karomama Plus)

カロママプラスのAIコーチ画面例。左側は摂取・消費カロリーの記録と「カロリーGood!」メッセージ、右側は「良かった点」「要注意点」「次のアドバイス」をAIコーチがチャット形式で提示している。

  • 基本情報:Wellmira株式会社(旧リンクアンドコミュニケーション)が提供するAI健康アプリ。iOS/Android対応。無料(アプリ内課金あり)。2022年11月に従来版「カロママ」を統合し、より機能拡充した現行版「カロママプラス」としてリニューアルされました。

  • 主な機能・強み:個人専用のAI栄養士「カロママ」がパーソナルコーチとなり、目標(ダイエット・メタボ改善・ロカボ・健康維持など)に応じたアドバイスを行います。食事・運動・睡眠・気分などのライフログを入力すると、その日の「良かったこと」「注意したいこと」「今後の提案」をチャット形式で提示し、すぐに行動に移せる点が特徴です。また、現在の栄養バランスや運動状況に応じて「献立メニュー提案」や「おすすめ食材・レシピ提案」も行います。特に食事管理では15万件に及ぶ食品データベースを持ち、写真撮影だけで簡易栄養分析が可能なAI画像認識機能を搭載しています。

  • デバイス連携:スマホ内蔵の歩数計アプリやFitbitと連携して歩数を自動記録し、その消費カロリーを算出します。さらに、Fitbit連携で深い睡眠/浅い睡眠などのデータも自動取得でき、より正確な健康スコア計算に役立ちます。体重・体脂肪・血圧などの身体情報も入力でき、日々の変化をグラフで管理できます。

  • ユーザーレビュー:使いやすさや親しみやすいデザインが好評で、App Store評価4.0(約2350件)と高評価です。実際にユーザーからは「カロママのアドバイスが励みになる」「ポイントやスタンプ機能で続けやすい」といった声が見られます。健康サポーター企業との連携機能やポイント制によるゲーミフィケーションで楽しく継続できる仕掛けが評価されています。

  • 開発背景・技術:カロママは元々健康関連事業を手がけるリンクアンドコミュニケーション社のアプリでしたが、Wellmira社の傘下でAI技術と専門家ノウハウを統合。2022年からは「カロママプラス」に名称を変え、管理栄養士・保健師などの専門家介入とAIを組み合わせたハイブリッド型の健康プログラム展開にも注力しています。

FiNC(フィンク)

FiNC Technologies Inc. が開発する「FiNC」アプリは、「体重管理・カロリー計算・食事管理・運動記録・睡眠記録・生理記録」など、体に関わるあらゆるデータを一つのアプリで記録できる統合型健康管理ツールです。利用者数は1200万ダウンロードを突破するなど国内外で高い人気を誇ります。

  • 主な機能・強み:スマホで撮影した食事画像からAIがカロリー・栄養素を推定・計算し、自動で食事記録が可能です。ユーザーは歩数・運動・体重などのデータと合わせて食事管理ができ、総合的なライフログとして日々の健康を把握できます。特に自社製のBluetooth体組成計と連携すれば、体重以外にもBMI・体脂肪・基礎代謝・体年齢など11項目の体組成データを乗るだけで取得でき、より詳細な身体分析が可能です。また「歩くだけでガチャを回せる歩数ガチャ」や、貯めたポイントを電子マネー・商品券などに交換できる仕組み(FiNCマイル)を搭載し、日常的な記録継続へのモチベーションを高めています。

  • 価格:基本無料で利用でき、ポイント交換などのサービスも無料で提供されます。アプリ内課金でトレーニングプログラムや栄養サポートサービスを追加できますが、記録・計測機能だけなら無料会員でも十分利用可能です。

  • ユーザーレビュー:App Storeでは評価4.2(10万件超)と高評価です。ユーザーからは「すべての健康データをまとめて記録できて便利」「AIトレーナーが具体的なアドバイスをくれる」といった評価が多く、特にポイント制度による楽しさが好評です。日米でGoogle Playベストアプリ2018にも選ばれるなど一定の実績があります。

各アプリとも日本語UIで提供され、日本のユーザーの食事習慣や食材に対応したデータベースを備える点が特徴です。上記のような食事管理・栄養アドバイス機能、目標設定・進捗管理機能、そしてスマートフォン・フィットネストラッカーとの連携機能を組み合わせることで、個々人の生活スタイルに即した健康管理サポートを実現しています。今後も技術進展やアプリ間連携の広がりにより、さらなる高機能化や生活習慣病予防への展開が期待されます。

 

参考資料: 公式サイト・プレスリリースおよびアプリストア情報など。