ダイエット中のお酒:科学的に見た影響と賢い飲み方

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2025.05.18

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ダイエット中のお酒は良くない?科学的に見た影響と賢い飲み方

ダイエット中のお酒は良くない?科学的に見た影響と賢い飲み方

ダイエット中のお酒:科学的に見た影響と賢い飲み方

ダイエット中にお酒を飲んでもいいのか悩んだことはありませんか?

アルコール飲料は1グラムあたり7キロカロリーものエネルギーを含み栄養素がほとんどないため「エンプティカロリー(空のカロリー)」とも呼ばれます。

さらに飲酒は体の代謝や食欲にも影響を与えるため、ダイエット中は注意が必要です。

しかし、適量の飲酒であれば体重増加に直結しないとの研究報告もあり、飲み方次第でダイエットとお酒を両立できる可能性もあります。

そこで本記事では、科学的エビデンスに基づきアルコールが代謝や脂肪燃焼に及ぼす影響を解説します。

続いて、ビール・ワイン・蒸留酒などお酒の種類ごとの平均的なカロリーの違いや、飲酒が食欲や食行動に与える作用についても見ていきます。

最後に、ダイエット中でも賢くお酒と付き合うためのコツも紹介します。

アルコールが代謝と脂肪燃焼に及ぼす影響

体内にアルコールが入ると、肝臓は他の栄養素よりも優先してアルコールの分解に取り掛かります。

アルコールは身体にとって処理すべき「毒物」の側面があるためで、その代謝には多くのエネルギーと時間を要します。

その間、脂肪の燃焼など他の代謝プロセスは後回しになり、実際に飲酒中は脂肪を「燃やす」化学反応が鈍ることがわかっています。

言い換えれば、アルコールを分解している間はエネルギー消費効率が落ち、余剰なエネルギーは脂肪として蓄積されやすくなるのです。

飲酒後、体がアルコールの処理を終え通常の代謝状態に戻るまでには数時間かかります。

摂取したアルコール量にもよりますが、最大で約7時間近く脂肪燃焼が抑制される場合もあります。

例えば夜にお酒と一緒に高カロリーな食事を摂った場合、就寝までそのエネルギーを十分に消費できず、脂肪として蓄積されやすくなるでしょう。

こうした代謝の一時停止が繰り返されると、長期的には体脂肪の増加、特に腹部肥満(いわゆるビール腹)につながる可能性が指摘されています。

お酒の種類ごとのカロリー比較

アルコール自体カロリーが高い上、飲み物の種類によって1杯あたりのカロリー量は大きく異なります。一般的なアルコール飲料の標準的な一杯(「標準飲酒単位」相当)に含まれるおおよそのカロリーは以下の通りです。

  • ビール(約350ml、5%): 約150 kcal

  • ワイン(約150ml、12%): 約120 kcal

  • 蒸留酒(ウイスキー、ウォッカなど40%、45mlショット): 約100 kcal

  • カクテル: レシピによって大きく異なる(例: マルガリータは小さなグラス1杯で約200 kcalだが、甘いフローズンタイプでは300 kcal以上になることもあります)

上記はいずれも目安ですが、実際にはグラスの大きさが大きかったりアルコール度数が高かったりすれば、その分カロリーも増加します。

また、お酒には食品のようなカロリー表示義務がないため、知らないうちに多くのエネルギーを摂取してしまう恐れがあります。

ビール1杯やワイン1杯の150 kcal前後というのは、小さめのおにぎり1個分にも匹敵します。飲酒量が増えればそれだけ総摂取カロリーも膨らむため、ダイエット中はお酒の種類だけでなく量にも注意しましょう。

アルコールが食欲と食行動に与える影響

お酒を飲むと「つい食べ過ぎてしまう」と感じる人も多いのではないでしょうか。

実際、アルコールには食欲を増進させる作用があり、飲酒は私たちの摂食行動に影響を及ぼします。

研究によれば、食前あるいは食事と一緒にアルコールを摂取すると普段よりも食べる量が増える傾向があり、ある報告ではその増加幅は最大で30%にも達しました。

さらにアルコールは、脂っこい食べ物や塩分の多いスナックなど高カロリーな「ジャンクフード」への欲求を高める可能性も指摘されています。

これはアルコールによって気分が高揚し判断が鈍ることで、普段なら抑えられる食欲のブレーキが外れてしまうためとも考えられます。

生理的なメカニズムとしても、飲酒は食欲に関わるホルモンや脳内シグナルに影響を与えます。

例えばアルコール摂取により空腹感を増進させる消化管ホルモン(グレリンなど)が増加し、逆に満腹感を伝える脳の信号が弱まることが報告されています。

その結果、普段より満腹感が得られにくくなり、つい余計に食べ過ぎてしまうのです。※ただし、アルコールが食欲に与える影響の程度や仕組みは個人差も大きく、現在も研究が進められているところです。

ダイエット中に賢くお酒と付き合う方法

ダイエット中でも「どうしてもお酒を楽しみたい」という場合は、飲み方に工夫をしてリスクを減らすことが重要です。

以下に、減量中にお酒と上手に付き合うためのポイントを挙げます。

  • 飲酒量を控える: 飲む頻度や量をできるだけ減らしましょう。

    一度に何杯も飲むのは避けましょう。可能であれば「休肝日」(お酒を飲まない日)を設けるなど、飲酒の頻度自体を減らす努力も有効です。

    過度の飲酒は体脂肪増加につながりやすいことを念頭に置き、節度ある量に留めることが大切です。

  • 低カロリーの飲み物を選ぶ: お酒の種類によって摂取カロリーを抑えましょう。

    糖質オフやライトビールを選ぶ、蒸留酒(焼酎やウイスキーなど)は炭酸水や無糖のソーダで割って飲む、といった工夫がおすすめです。

    ワインを飲むならソーダで割って「ワインスプリッツァ」にすればアルコール度数とカロリーを薄められます。

    反対に甘いカクテルは砂糖やシロップが多く高カロリーになりがちなので控えましょう。

    どうしてもカクテルを楽しみたいときは、ノンアルコールカクテル(モクテル)やカロリーオフのミクソロジードリンクを試してみるのも一手です。

  • 合間に水を飲む: アルコール飲料の合間ごとにコップ一杯の水を飲むようにしましょう。

    水を挟むことで飲酒のペースが緩やかになり、結果的に総カロリー摂取を減らせます。また水分補給にもなるため、酔い過ぎや翌日の二日酔い防止にも有効です。

  • 空腹で飲まない: お腹が空いている状態でいきなりお酒を飲むのは避けましょう。

    空腹時に飲むと急激に酔いが回るだけでなく、食欲が刺激されて過剰に食べてしまいやすいです。

    飲む前にサラダやタンパク質中心の食事を摂っておくか、おつまみにはナッツ、チーズ、枝豆など比較的ヘルシーで満足感のある食品を選ぶと過食を防げます。

  • ゆっくり味わう: お酒は急がずマイペースに味わいましょう。

    一気飲みや早飲みは避け、できれば少しずつ時間をかけて飲むようにします。ゆっくり飲むことで酔いにくくなり、結果としておつまみの量や追加の飲酒を抑える効果も期待できます。

以上のようなポイントに気をつければ、ダイエット中でもお酒を楽しむことは不可能ではありません。

要はアルコールの影響を正しく理解し、摂取エネルギーと飲酒量をコントロールすることです。適度な範囲で上手にお酒と付き合いながら、無理のない健康的な減量を続けていきましょう。