インターミッテント・ファスティング(時間制限ダイエット)の効果やメリット、デメリットとは

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2025.04.09

ダイエット

インターミッテント・ファスティング(時間制限ダイエット)の効果やメリット、デメリットとは

インターミッテント・ファスティング(時間制限ダイエット)の効果やメリット、デメリットとは

インターミッテント・ファスティング(時間制限ダイエットとは

インターミッテント・ファスティング(断続的断食)とは、一定の時間帯のみ食事を摂り、それ以外の時間は断食するダイエット法の総称です。

近年「時間制限ダイエット」などとも呼ばれ注目されており、例えば16時間断食(16:8法)や週2日断食(5:2ダイエット)といった手法が代表的です。

方法(代表的なインターミッテント・ファスティングのやり方)

インターミッテント・ファスティングには様々なバリエーションがありますが、以下に代表的な手法を示します 

  • 16:8時間法(時間制限食): 1日のうち16時間を断食し、8時間だけ食事を摂る方法です。

  • 典型例は「夜8時に夕食を終えたら、翌日正午まで何も食べないで過ごし、正午~夜8時の間に食事をとる」というパターンです 。毎日このサイクルを繰り返します。

  • 5:2ダイエット: 1週間のうち5日間は通常通りの食事をし、残り2日間は摂取カロリーを大幅に制限する方法です。断食日にあたる2日では、目安として500~600kcal程度(通常の約1/4)の摂取に抑えます。2日の断食日は連続させず、例えば月・木曜など間隔を空けて行います。

  • 隔日断食(Alternate-Day Fasting): 1日おきに断食を行う方法です。断食日には原則食事を摂らないかごく少量(500kcal程度以下)にとどめ、翌日は制限なく食べる――このサイクルを隔日で繰り返します。例えば「月曜断食→火曜通常食→水曜断食→木曜通常食…」という形です。

  • 24時間断食(週1~2回断食): 1週間に1回から2回程度、丸1日(24時間)断食する方法です。例えば「ある日の夕食後から翌日の夕食まで約24時間何も食べない」形で行います。残りの日は通常通り食事を摂ります。

各手法ごとに断食する時間や頻度は異なります。次の表に、代表的な手法の特徴と効果・リスクの概要を比較して示します。

手法(ファスティング例) 概要・やり方 (断食時間と食事時間) 期待される主な効果・メリット
16:8時間法(時間制限食) 1日16時間断食し、残り8時間の時間枠内で食事 。毎日繰り返す。例:夜20時に食事終了→翌日正午まで断食。 摂取カロリー抑制による体重減少が期待でき、実際に体重やBMIの減少が報告 
5:2ダイエット 週5日は通常食事、週2日を断食(超低カロリー食)。断食日は連続させず中数日あける。例:毎週月・木曜日のみ500kcal程度に制限。 週単位で大幅なカロリー削減が可能なため、体重減少に効果的 
隔日断食(ADF:隔日絶食) 1日おきに断食または超低カロリー食の日を挟むサイクル。例:断食日(0~500kcal)と通常食日を交互に繰り返す。 短期間で減量効果が出やすい手法とされています。実験では22日間の隔日断食で体重2.5%減、体脂肪4%減、空腹時インスリン57%低下との報告もあります ([インターミッテント・ファスティングとは何か──断続的断食は心臓の健康にいいのか悪いのか?
     

効果(体重減少や代謝改善など)

体重減少効果 – インターミッテント・ファスティングは総じて減量に有効であることが多くの研究で示されています (Adverse events profile associated with intermittent fasting in adults with overweight or obesity: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials | Nutrition Journal | Full Text)。時間制限食(16:8法)、隔日断食、5:2法といった主要な手法はいずれも、対照と比べ有意な体重減少をもたらしたとの報告があります(減少量の平均は手法により数kg程度) (Effects of different types of intermittent fasting on metabolic outcomes: an umbrella review and network meta-analysis | BMC Medicine | Full Text)。

例えば5:2ダイエットでは通常の連続的なカロリー制限とほぼ同等の減量効果が得られたとの研究があり (Effects of different types of intermittent fasting on metabolic outcomes: an umbrella review and network meta-analysis | BMC Medicine | Full Text)、トータルで見れば「摂取カロリーを減らす」という点では従来型ダイエットと同じ原理で効果を発揮すると考えられます。

一方で、全員が確実に痩せるわけではないことにも注意が必要です。個人差が大きく、一部の人では効果が限定的であったり 、断食しない時間帯にカロリーを過剰摂取すると体重減少効果が打ち消されることも報告されています 。

代謝機能の改善 – 断続的断食は減量だけでなく、血中の代謝指標を改善させる効果も期待されています。断食中はインスリン分泌が低下し、身体は脂肪をエネルギー源として使いやすくなります。

その結果、血糖値やインスリン感受性の改善、内臓脂肪の減少がみられる場合があります。

実際、時間制限食(16時間断食)は空腹時血糖値や血圧、コレステロール値の低下など心代謝機能の指標を改善したとの報告があります (8-hour time-restricted eating linked to a 91% higher risk of cardiovascular death | American Heart Association)。

また5:2法や隔日断食でも収縮期血圧の低下が認められたメタ分析があり (Effects of different types of intermittent fasting on metabolic outcomes: an umbrella review and network meta-analysis | BMC Medicine | Full Text)、中性脂肪(トリグリセリド)の低下やHDLコレステロールの増加など脂質プロファイルの改善を示す研究も見られます 。

細胞機能・抗老化効果 – 動物実験では、断食によってオートファジー(細胞の自己浄化作用)の活性化が確認されており、これが細胞の修復・再生を助ける可能性があります。

この機序により、老化防止や寿命延長につながるのではないかと期待されています 。

マウスなどモデル生物では断食により寿命が延びたという報告がありますが、人間における長寿効果はまだ明確な証拠がありません

しかし断食時に誘導される代謝変化(ケトン体増加や炎症マーカー減少など)は、老化関連疾患のリスク低減に寄与する可能性が示唆されています (Intermittent Fasting Linked to Disordered Eating, Compulsive Exercise)。

以上のように、インターミッテント・ファスティングは減量とメタボリックシンドローム改善に有望な手法と考えられます。ただし、その効果の大きさは個人や介入方法によって様々であり、短期的な指標改善は見られても長期的な健康アウトカム(例えば心血管イベントや寿命)への影響は未解明な点が多いことを念頭に置く必要があります。

健康面のリスク

インターミッテント・ファスティングを実践する上で注意すべき健康リスクや副作用も報告されています。

  • ホルモンバランスへの影響 – 特に女性の場合、過度な断食は性ホルモンのバランス変化を招く可能性があります 。急激な摂取エネルギー減少は生殖関連のホルモンに影響し、生理不順などを引き起こすことが指摘されています 。

もっとも、近年の研究では短期間の16時間断食(戦士ダイエット法)によって女性ホルモン(エストラジオールやプロゲステロン)は有意な変化を示さず、DHEAというホルモンがやや低下したものの正常範囲に留まったという報告もあります (New data on how intermittent fasting affects female hormones  | UIC today体重減少によるポジティブな効果(例えば肥満による不妊リスクの改善)との兼ね合いもあり、一概に女性に不向きとは言えませんが、月経周期や更年期の症状に変化がないか注意深くモニターすることが推奨されます。

  • 栄養不足のリスク – 断食によって食事機会が減る分、必要な栄養素の不足が懸念されます 。

これは全てのダイエットにおいて注意が必要ですが、特にビタミン・ミネラルやタンパク質などは、意識的に食事時間内に摂取しないと所要量に達しない恐れがあります。

栄養バランスが偏ると免疫力低下や体調不良を招く可能性があるため、断食をしない時間帯での栄養管理が重要です。

  • 一時的な副作用 – 開始直後の空腹感、倦怠感、頭痛、めまいなどは比較的よく報告される症状です。

しかし興味深いことに、ランダム化比較試験のメタ分析では、こうした症状の発生率は断食群と通常食コントロール群で有意差がないことも示されています (Adverse events profile associated with intermittent fasting in adults with overweight or obesity: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials | Nutrition Journal | Full Text)(断食法に慣れるにつれ改善するケースが多いと考えられます)。とはいえ個人レベルでは、低血糖によるふらつきや集中力低下を感じたら無理をしないことが大切です。

  • 筋肉量の減少 – 急激な減量期には筋肉など脂肪以外の組織も落ちてしまうことがありますが、インターミッテント・ファスティングでも不適切に行うと筋肉量減少のリスクがあります 。

ある研究では16:8時間の時間制限ダイエットを3か月続けたグループで、減量した体重のうち65%が脂肪以外の組織(筋肉など)だったとの報告があります。

これは通常の減量で期待される割合の2倍以上に相当し、タンパク質摂取不足や運動不足が一因と考えられます。そのため、断食ダイエット中も適度な運動(筋トレ)と十分なタンパク質摂取を心がけ、筋肉量維持に努めることが推奨されます。

  • リバウンド(体重再増加)のリスク – 断続的断食そのものが直接リバウンドを起こすわけではありませんが、減量後に元の食習慣に戻れば体重が再び増加する点は他のダイエットと同様です。特に断食期間中の食欲抑制が外れた反動で過食に走ってしまうと、せっかく減った体重が戻りやすくなります 。

長期に体重を維持するには、断食を一時的な手段とせず健康的な食生活へ繋げていくものと考え、断食終了後も適切な食事管理を続けることが重要です。

  • その他注意すべき人妊娠中・授乳中の女性、成長期の子ども、持病のある人(糖尿病でインスリンや薬を使っている場合など)は、断食ダイエットは基本的に推奨されません。これらの場合、エネルギーや栄養不足が深刻な影響を及ぼす恐れがあるためです。

また摂食障害の既往がある人にとっては、断食という行為が食事に対する強迫観念を悪化させる可能性も指摘されています 。

実際、トロント大学の調査では若年者の間でIF実践者に過食や自己誘発嘔吐、過度な運動といった行動の併発が有意に多かったことが報告されています (Intermittent Fasting Linked to Disordered Eating, Compulsive Exercise)。

以上のようなハイリスク群の方は、断食ダイエットを避けるか必ず医師と相談の上で行うべきでしょう。

科学的根拠(医学論文・臨床研究・専門家の見解)

インターミッテント・ファスティングに関する科学的エビデンスは、この数年で急速に蓄積されつつあります。主要な知見を以下にまとめます。

減量効果のエビデンス – 複数のランダム化比較試験(RCT)およびメタ分析が行われており、IFは減量において従来のカロリー制限(CCR)と同程度に有効であるという結果が多く報告されています (Adverse events profile associated with intermittent fasting in adults with overweight or obesity: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials | Nutrition Journal | Full Text)。

例えば2022年の系統的レビューでは、「断続的断食は連続的なカロリー制限と比較して体重減少効果に優位な差はない」ことが示され、どちらも有効だが減量幅は似通っているという結論でした。一方で、先述のように5:2ダイエットがやや優位に減量を促すとの分析結果 や、早朝からの時間制限食(朝食〜昼過ぎに食事を終えるタイプ)がインスリン感受性の改善に有効だったとの報告もあります (Effects of different types of intermittent fasting on metabolic outcomes: an umbrella review and network meta-analysis | BMC Medicine | Full Text)。

総合すると、減量戦略の一つとして十分有効であるものの、「特別に魔法のような方法」ではなく原理的には摂取カロリー管理による効果であると考えられています 。

代謝・健康指標へのエビデンス – IFの生体への影響について、多くの臨床研究が行われています。例えば8時間時間制限食(16:8法)のRCTでは、空腹時インスリンやインスリン抵抗性指数(HOMA-IR)の改善、血圧低下、酸化ストレスマーカーの減少が報告されています (New data on how intermittent fasting affects female hormones  | UIC today)。

5:2ダイエットや隔日断食についても、LDLコレステロールや中性脂肪の低下、炎症マーカーの減少など有益な変化を示す研究が存在します。

一方で除脂肪体重(筋肉)の減少や栄養状態の悪化が懸念される報告もあり、指標の改善がそのまま長期的な健康増進に結びつくかは慎重に見る必要があります。

専門家の中には「IFは体重や代謝ホルモンの指標改善には有効だが、長期の臨床転帰を評価した研究が不足している」と指摘する声もあります (Intermittent Fasting Linked to Disordered Eating, Compulsive Exercise)。

心血管リスクや寿命への影響 – 注目すべき最近の研究として、2024年に米国心臓協会(AHA)の会合で発表された大規模解析があります。それによると、米国成人2万人以上のデータを解析した結果、1日の食事時間が8時間以内(16時間断食)だった人は、12~13時間にわたって食事していた人に比べ心血管疾患による死亡リスクが91%も高かったと報告されました (8-hour time-restricted eating linked to a 91% higher risk of cardiovascular death | American Heart Association)。この衝撃的な数値はメディアでも大きく報じられました 。

しかし、この研究は観察研究(NHANESデータの解析)で因果関係を証明するものではなく、専門家からは「この結果だけで断食の是非を判断すべきでない」との指摘が出ています。

実際、著者ら自身も「長期的な影響は不明であり、更なる研究が必要」と述べており (8-hour time-restricted eating linked to a 91% higher risk of cardiovascular death | American Heart Association)、今回の所見を過度に恐れる必要はないとの声もあります 。

むしろ興味深い仮説として、既に健康状態の悪い人が体重管理目的で始めた可能性や、長時間の断食が交感神経系への影響を通じて心臓にストレスを与える可能性など、今後検証すべき点が浮き彫りになったと言えるでしょう。

専門家の見解 – 医学・栄養の専門家の間でもIFへの評価は様々です。ハーバードなど多くの研究者は「IFは有望な減量・健康法だが、他の食事法と比べて決定的に優れているエビデンスはまだ十分でない」としています 。

一方で「食事のタイミングを制限することで内臓脂肪を減らし糖尿病予防に役立つ」と肯定的に捉える意見や、「不適切な断食は筋肉減少や摂食障害を招きかねずリスクも大きい」と懸念する意見 もあります。

つまり現時点では、科学的根拠は「短期的には有益」「長期的な安全性・有効性は検証中」という段階であり、絶対的な結論は下せないというのが大方の見解です (Intermittent Fasting Linked to Disordered Eating, Compulsive Exercise)。今後、より長期間にわたるRCTや大規模疫学研究によって、断続的断食の真の価値が明らかになっていくことが期待されます。

体験談(国内外の利用者の声や傾向)

インターミッテント・ファスティングは世界的にブームとなっており、日本国内外で多くの人々が実践しています。その体験談にはポジティブなものもあれば、ネガティブなものもあります。

成功例・ポジティブな声:日本国内では、「ゆるい16時間断食を5ヶ月続けて体調が良くなり、緩やかに減量できた」というブログ発信 (16時間ダイエットとわたし|松永ねる - note)や、「1年間で8kg減量し慢性的な疲労感も解消した」という報告もあります (訪問リハビリ便り「1日16時間断食で、体重-8㎏減」 | 鹿児島市の内科・がん治療 さくらクリニック)。

実際にあるクリニック職員の方の体験では、平日は夕食のみの一日一食にし週末は家族と通常食をとる形で1年間継続したところ、途中 plateau(停滞期)を挟みつつ最終的に8kgの減量に成功したといいます (訪問リハビリ便り「1日16時間断食で、体重-8㎏減」 | 鹿児島市の内科・がん治療 さくらクリニック)。

加えて「朝の疲労感が減り頭がすっきりするなど、思わぬメリットを感じた」と述べており (訪問リハビリ便り「1日16時間断食で、体重-8㎏減」 | 鹿児島市の内科・がん治療 さくらクリニック)、減量以外にも日常生活での調子が向上したという声が聞かれます。同様のポジティブな体験談は海外でも多く、SNSやコミュニティでは「集中力が増した」「体が軽くなった」「検診数値が改善した」等の報告が多数見られます。

挫折例・ネガティブな声:一方で、「断食を始めたものの空腹に耐えられず数日で断念した」「家族と食事の時間が合わずストレスになった」などの声も少なくありません (インターミッテントファスティングのやり方は?痩せないと言われている理由について – ダイエットコラム)。

特に社交的な場での食事機会が多い人にとって、時間制限が大きな制約となり精神的負担になったという報告があります (インターミッテントファスティングのやり方は?痩せないと言われている理由について – ダイエットコラム)。

また「断食日と非断食日のメリハリが難しく、つい食べ過ぎてしまった」といった反省も聞かれ、結果として思うような減量効果が出なかったケースもあります (インターミッテントファスティングのやり方は?痩せないと言われている理由について – ダイエットコラム)。

海外の事例では、16:8ダイエットを試みたグループの平均減量がごくわずかで、しかもその減量の多くが筋肉減少によるものだったという研究結果が本人たちを落胆させたというエピソードもあります (セレブ実践「朝ごはん抜き断食」がヤバい理由 16時間断食に特化した驚きの研究結果が出た | The New York Times | 東洋経済オンライン)。

この研究では参加者自身も結果に驚き、期待した効果が得られなかったことに落胆したと報じられています (セレブ実践「朝ごはん抜き断食」がヤバい理由 16時間断食に特化した驚きの研究結果が出た | The New York Times | 東洋経済オンライン)。

総じて、「効果を実感して継続できている人」「思ったほど効果が出ず継続が難しい人」がいるのが現状で、その分かれ目はライフスタイルや個人の適性に依存するようです。成功した人の多くは「自分の生活パターンに無理なく組み込めた」と語る一方、失敗した人は「生活リズムに合わなかった」と感じています。従って、体験談から学べるのは、インターミッテント・ファスティングの継続可否や効果の実感度は個人差が大きいという点です。実践する際は他人の結果に一喜一憂するのではなく、自身の体調変化と向き合いながら合うかどうか見極めることが大切だと言えるでしょう。

メリットとデメリット(継続性やライフスタイル適合性など)

最後に、インターミッテント・ファスティングの一般的なメリット(利点)デメリット(欠点)を整理します。

メリット(利点・良い点)

  • シンプルなルールで取り組みやすい: 「○時以降は食べない」といったルールは分かりやすく、カロリー計算など煩雑な管理が不要で始めやすい。

  • カロリー制限の苦痛が少ない: 食べてはいけない時間さえ守れば、食べられる時間帯には比較的自由に食事できるため、常に小刻みに食事制限するより心理的負担が小さいとの声もある 。

  • 時間の有効活用: 朝食や夜食を抜くことで食事準備の時間が節約でき、その分を他の活動に充てられる。忙しい人にとっては時間管理の観点でも利点となる。

  • 代謝改善による健康効果: 減量だけでなくインスリン感受性の向上、血圧低下、炎症の軽減など健康指標の改善が得られる可能性がある。将来的な生活習慣病リスク低減が期待される。

  • 食習慣のリセット: 定期的な断食により胃腸を休ませることで暴飲暴食の習慣を見直すきっかけになる。空腹感に慣れることで「本当に必要な量」を見極める感覚が養われ、過食の予防につながるという指摘もある。

  • 経済的メリット: 食事回数を減らすことで結果的に食費の節約になる場合がある。またダイエットサプリ等に頼らないため、余計な出費を抑えられる。

デメリット(欠点・悪い点)

  • 空腹との戦いが辛い: 特に開始直後や断食時間が長い手法では、強い空腹感やそれに伴うイライラに苦しむ声が多い。空腹時に家族の食事を見るなど精神的ストレスを感じる場面もある 。

  • 社会生活との両立が難しい場合がある: 友人や家族との食事の機会、仕事上の会食などで断食時間を維持するのは難しく、社交上の不便さがデメリットとして挙げられる 。周囲の理解も得にくいと感じる人もいる。

  • 栄養バランスに注意が必要: 食事回数が少ない分、一回一回の食事でバランスよく栄養を摂らないと栄養不足や筋肉減少につながる恐れがある。栄養管理の知識がないと健康を損なうリスク。

  • 継続が難しい人もいる: ライフスタイルによっては断食のスケジュールを維持するのが困難で、ドロップアウト(中断)率が高くなる場合もある。意志力に頼る側面が大きいため、人によって向き不向きがある。

  • 一時的な体調不良の可能性: 頭痛・めまい・倦怠感など、体が慣れるまで一過性の副作用が出ることがある。 適応が進めば治まるケースが多いが、人によっては仕事や日常に支障を来す場合も。

  • リバウンドのリスク: ダイエット後に断食をやめてしまうと、元の食習慣に戻れば体重も戻りうる。断食自体は根本的な生活改善ではないため、減量後も適切な食習慣を維持しないとリバウンドの可能性がある。

  • 特定の人には危険: 妊娠中の女性や成長期の子供、持病を持つ人などにはリスクが高く推奨されない(医師の監督なしに行うべきではない) (Intermittent Fasting Linked to Disordered Eating, Compulsive Exercise)。誰にでも安全・万能な方法ではない。

まとめ

以上のように、インターミッテント・ファスティングにはメリットとデメリットが表裏一体となって存在します。適切に実践すれば減量や健康増進に寄与しうる一方で、やり方を誤ったり自身に合わなかったりすれば健康リスクや継続困難に直面します。

現在得られている科学的知見は概ね「短期的メリットと安全性は確認できているが、長期的影響は今後の研究待ち」という状況です。

従って、インターミッテント・ファスティングを試す際は、最新のエビデンスや専門家の情報も参考にしながら、自分の体調や生活に合った方法か慎重に判断することが重要と言えるでしょう。